フラット35の秘密というような大層なものはないと思います。
まず、銀行にとって、自社の住宅ローンとフラット35では、おそらくフラット35を扱う方が収益性は高いでしょう。
それだけでなく、自社の住宅ローンは、様々なリスクを負うのに対し、フラット35はほとんどのリスクを住宅金融支援機構が引き受けてくれます。
従って、銀行がフラット35をすすめずに自社の住宅ローン、とりわけ変動金利をすすめるのは、一見すると経済合理性がないように思われます。
その答えは、想像ではありますが、次のようなものが考えられます。
①販売する人にとっては、自社ローンの方が評価される
銀行全体としてではなく、部店にとっては、本部からどう評価されるかが重要となります。
おそらく、フラット35よりも自社の住宅ローンを売った方が、部店にとっては収益が大きく設定されているものと思われます。
フラット35よりも、自社の住宅ローンを売った方が評価はされるに違いありません。
②フラット35は、債権を売るということが、感情的に受け入れられない
フラット35は、その債権を全額、住宅金融支援機構に買い取ってもらいます。
言い換えれば、自社のお客様だったのですが、住宅金融支援機構のお客様につけかえてしまう、ということです。
このような行為が銀行員にとって、感情的に受け入れがたい部分があるのかもしれません。
③フラット35を売っても、資産運用にはならないから
現在、マイナス金利になっているため、預金で集めた資金を少しでも高い利回りで運用しなければ、銀行は経営上行き詰ってしまいます。
フラット35はいくら貸しても、売却して現金化されてしまうので、その運用先をみつけるという問題の解決にはならない、と考えているのかもしれません。
④フラット35の手続きに精通していない
銀行員にとって、事務に精通していることがアイデンティティといえるくらい重要なことです。
しかし、フラット35は前述の通り、積極的に取り扱っていないため、事務手続きに精通していない、と感じることがしばしばです。
そういった理由も、取扱いに消極的な理由なのかもしれません。
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