オンラインで住宅ローンを仲介する英国のHabito、ベンチャーキャピタルから2400万ドルを調達
オンラインによる住宅ローン仲介をおこなう英国のFinTech企業であるHabitoは、Skypeの共同設立者NiklasZennströmが設立したベンチャーキャピタル(VC)の大手Atomicoが率いるシリーズBラウンドで、1850万ポンド(約2400万ドル)を調達した。投資会社であるRibbit Capital、Mosaic Ventures、Revolutionary(Ad)Venturesもこのラウンドに参加した。
ソース: http://news.atomico.com/our-investment-in-habito
https://venturebeat.com/2017/09/04/automated-mortgage-broker-habito-raises-24-million-from-atomico-others/
以下の内容は、ローンのことを分かりやすくお伝えする<支援LOAN(シェンロン)事務局>からの情報です。
●Hobitoについて
Hobitoはイギリスのスタートアップ企業であり、2016年4月から、インターネットを活用したオンラインによる住宅ローンの仲介サービスを開始しました。Habitoのサービスは、テクノロジーを活用することにより、人手によるサービスよりも、住宅ローンの申込みから実行までの時間と費用を大幅にカットしています。
なお、時点では、Habitoはイギリス国内向けにサービスを提供しており、イギリスのFCA(Financial Conduct Authority (金融行動監視機構))の監視下でこれらのサービスを提供しています。
イギリスはFinTechの先進国といわれておりますが、日本でこのようなサービスが提供されていないのは、技術的な課題ではなく、法律的な課題によるところが大きいと推察されます。
●Habitoのサービス
Atomicoによりますと、イギリスでは昨年、住宅ローンの68%がプローカーの仲介により契約されているとのことです。このようにブローカーが活躍しているイギリスで、Habitoは住宅ローン・ブローカーの代替となるべく、インターネットを利用したオンラインの仕組みを構築し、サービスの提供を開始しています。具体的には、70社の金融機関の20,000商品を分析して、最適なアドバイスをおこなうソリューションを、自動的にまたは専門家による対応によりオンラインで提供しています。
また、利用者の状況に基づく利用者に適した住宅ローンに関するアドバイスだけではなく、その後の住宅ローン申込み手続もオンラインで提供しています。Habitoは、このようなサービスを利用者には無償で提供し、代わりに金融機関から、住宅ローンの契約金額に対し平均0.3%の手数料を受取っています。
●日本では
日本でも、このようなサービスが提供されることを期待したいところですが、日本で銀行等の住宅ローンを対象に、このようなサービスをおこなうと、「銀行の固有業務である貸付取引を内容とする契約の締結の代理または媒介を行う」行為となり「銀行代理業」に該当し、内閣総理大臣の許可が必要となります。
— 銀行法 第二条14 —
この法律において「銀行代理業」とは、銀行のために次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。
一 預金又は定期積金等の受入れを内容とする契約の締結の代理又は媒介
二 資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約の締結の代理又は媒介
三 為替取引を内容とする契約の締結の代理又は媒介
日本国内で、複数の銀行を提携先とする仲介サービスをおこなうには、提携する銀行毎に銀行代理業の許可を受ける必要があります。また、モーゲージバンクの住宅ローン商品の仲介は、貸金業法の制約をうけることになります。
昨今は、日本でも法改正や規制緩和、標準化等がおこなわれ、仮想通貨や銀行APIによる便利なサービス等が提供されつつあります。利用者保護を確保しながら、イノベーションを進めていくための制度的枠組みを整備することは難題となりますが、今後も「技術的な進歩」と「法改正や規制緩和」が両輪となってFinTechを推進していくことになるでしょう。
支援LOAN(シェンロン)事務局からでした。次回をお楽しみに!
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