低金利政策が長年続いているため、住宅ローンの金利も1%前後で推移しており、住宅ローンの金利が2%を上回る確率はほとんど無いと思われているかもしれません。
ですが、将来のことはわかりません。もしかしたら、5年後、10年後に、経済活性化政策がみごとに成功し、我が国が、経済成長路線を突き進んでいる可能性もあります。

今回は、住宅ローンの金利が3%になったら、住宅ローンを借りている債務者やこれから借りようとしている人に、どのようなことが起こるのか、について考えてみましょう。

 

住宅ローンQ&A　　住宅ローン専門家

 

 

変動金利の住宅ローンを借りている場合

変動金利型住宅ローンを借りている場合を想定してみましょう。変動金利型の住宅ローンは、基準金利が上昇すると、借りている住宅ローンの金利も上昇する仕組みになっています。

基準金利の見直しタイミングは金融機関により異なりますが、6カ月に一度見直される場合が多く、そのタイミングで借りている住宅ローンの金利が見直されます。その結果、毎月の返済金額が変わらなくても、返済金額に占める元金と利息の割合が変更されることになります。金利が上がると、当然ですが、返済金額に占める利息の割合が増え、元金の割合が減ります。

また、多くの金融機関では、金利の見直しとは別に、毎月の返済額の見直しタイミングが5年ごとに設定されています。住宅ローンの金利が上がることにより、毎月の返済額も上がることになります。

それでは、具体的に、どの程度返済額が増えるか計算してみましょう。

 

金利が１％から３％になると変動金利型の返済額はどの程度増えるか

以下のように、残りの返済期間が25年で、住宅ローン残高が2,500万円のときに、金利が１％から３％に急激に変動した場合を想定してシミュレーションしてみましょう。

 

 

上記からも分かるように、上記のような条件で、住宅ローンの金利が１％から３％に変わると、毎月の返済額および総返済額が約1.25倍になります。

 

フラット３５のような全期間固定金利型の住宅ローンを借りている場合

フラット３５は、住宅ローンの返済期間中ずうっと金利が変わらない全期間固定金利型ということが特徴です。

この特徴どおり、いったん借入をしてしまえば、世の中の金利が変わっても、借りているフラット３５の金利は変わりません。2018年11月のフラット35の金利は1.450％（融資率9割以下）となっております。もし、3年後に長期プライムレートが１%から３％に２％上昇したとしても、返済中のフラット３５の毎月返済額は変わりません。

ここまでの話は、住宅ローンを借りている人が対象でした。以降は、これから住宅ローンを借りる人を対象とした話をします。

 

これから借りる人への影響（約1,000万円の影響がでる！？） 

これから住宅ローンを借りる人は、変動金利だろうが、全期間固定金利のフラット３５だろうが、住宅ローンの金利が上がると、直接的な影響を受けることになります。
以下では、住宅ローンの金利が１％のときと、３％のときで、どの程度の金額が違うかシミュレーションしています。

具体的には、毎月10万円を35年間払い続ける前提で、住宅ローンをいくら借りられるかを計算してみました。

住宅ローンの金利が１％の場合と３％の場合では、毎月の返済額（10万円）がおなじでも、借り入れることの出来る住宅ローンの金額が944万円も違ってくるということを意味しています。

住宅ローンが２％上がると、購入できる住宅ローンの金額が944万円下がるということになります。住宅ローンの金利が３％に上がっている状況では、購入対象の土地の価格が下がったり、皆さんの収入が上がっている可能性もありますので、住宅ローンのみを単純に比較することはできませんが。

 

近い将来、住宅ローン金利が３％になることは、考え難いことでしょう。しかしながら、将来のことは分からないからといって、自分にとって都合の良いシナリオしか考えないということも良くありません。

万が一、自分にとって不都合なことが起こったとしても、対処できるような対策なり、余裕を持つなりしておくことが大切なことではないでしょうか。

 

～　おまけ５５　～

終着駅
と書かれた駅で
我降りる
必ず降りる
終着駅で

 

～　おまけ５４のもと　～

ひるやすみ
カレーうどんを
食べながら
愛のない暮らし
などはうんざり
（萩原慎一郎）
滑走路

 

 

 

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