住宅ローンの金利が2%になったら、どうしますか?
超低金利状態が長く続いております。ゼロ金利政策が日本銀行の政策決定会合で決定されたのが1999年2月12日です。
その後、いったん解除され、2010年10月に開催された日銀の金融政策決定会合で、政策金利が0~0.1%に引き下げられ、ゼロ金利政策が復活しました。
そして、とうとう、2016年1月29日、日本銀行はマイナス金利政策の採用を発表しました。あれから3年、ず~っとこのまま、超低金利状態が続いていくのでしょうか・・・。
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変動金利の基準となる短期金利の行方
ゼロ金利政策やマイナス金利政策は、無担保コール翌日物金利や、民間銀行の日銀当座預金にある超過準備に対する金利を実質ゼロやマイナスにする政策となります。
上記のような短期金利の指標となる金利がゼロやマイナスとなっているため、短期プライムレートを基準金利としている変動金利型住宅ローンの金利は、低い金融機関では0.5%前後となっております。
調達金利と貸出金利の差である金利スプレッドが、1%程度と言われていた時代がありましたが、今や銀行の平均貸出金利が1%を切っています。変動金利型の住宅ローン金利が0.5%ということは、0%で調達できたとしても、金利スプレッドは0.5%です。
このような状態で銀行は儲かるのでしょうか、もしかしたら、秘策があるのかもしれません。
ゼロ金利政策やマイナス金利政策が永遠に続くのでしょうか?、 いやいやいや、それは無いでしょう。
では、ゼロ金利政策やマイナス金利政策が今後10年間は続くのでしょうか?、 いやいや、それは無いのではないでしょうか。
ではでは、 ゼロ金利政策やマイナス金利政策が今後5年間は続くのでしょうか?、 いや、それは難しいでしょう。
ではではでは、ゼロ金利政策やマイナス金利政策が今後1年間は続くのでしょうか?、 ですかねー、、、ですよねー。。。
全期間固定金利の基準となる長期金利の行方
今度は、全期間固定金利の基準となる長期金利のお話です。
長期金利の全体の指標となっているといわれている「新初10年物国債」の利回りはどのように決まるのでしょうか。簡単に言うと、「将来の経済見通し(予想)」で決まるそうです。
将来の景気や物価の動向を予想して決めるということですが、物価が上昇するという予想であれば利回りも上昇し、物価が安定しているという予想であれば利回りも上昇しない(低下)ということになるようです。
日本銀行は、物価上昇率2%を目指しているということでしたが、「新初10年物国債」の利回りはどのように推移しているのでしょうか。
「新発10年国債利回り」の10年間の推移グラフ(日本相互証券株式会社)を見てみましょう。
0.7% で借り入れている住宅ローンの金利が 2% になると?
それでは、簡単なシミュレーションをしてみましょう。
現在借入れている変動金利型住宅ローンの金利が 0.7% とします。
今後、変動金利型の住宅ローンの金利が 2.0% になったとしたら、毎月の返済金額はどのようになるのでしょうか。
住宅ローンの残高 3,000万円、残りの返済期間30年
金利0.7%の場合: 毎月の返済額 9.3万円、 総返済額 3,327万円
金利2.0%の場合: 毎月の返済額 11.1万円、 総返済額 3,992万円
3,000万円を借り入れている住宅ローンの金利が、0.7% から 2.0% へ 1.3% 上昇した場合には、毎月の返済額は 9.3万円 から 11.1万円 に 1.8万円も増えてしまうことになります。
このタイミングで【フラット35】に借り換えをしたら
変動金利型住宅ローンの金利が上がる前に、全期間で金利が変わらない【フラット35】に借り換えることを検討してみましょう。
現在(2019年3月)の【フラット35】の金利は 1.270% となっています。
このタイミングで、全期間固定型の住宅ローンである【フラット35】に借り換えをすると、毎月の返済額はいくらになるでしょうか。
【フラット35】住宅ローンの残高 3,000万円、残りの返済期間30年
金利1.270%の場合: 毎月の返済額 10.1万円、 総返済額 3,610万円
将来の金利が変動するリスクを排除するために、変動金利型の住宅ローンから【フラット35】などの全期間固定型の住宅ローンへ借り換えをすると、毎月の返済額は 10.1万円 となります。
変動金利型 0.7% 前後の住宅ローンを契約している場合には、毎月の返済額を約 8,000円 増やすことによって、将来の支払いが極端に増えるリスクを排除することができます。
この選択は、いかかでしょうか?
実際には、借り換え手数料の支払い、団信の保障内容の違いなどがあります。
余裕資金を持っているかたは、今後長く続くかもしれない低金利をできるだけ享受して、いざとなれば繰上げ返済により、毎月の返済額を減らすこともできますので、あまり心配することは無いのかも知れません。
個々人の資産や収入により、リスクへの対応の仕方は異なります。正確な金額を知って、的確にリスクを理解して、納得して住宅ローンを借り換えたい場合は、住宅ローンの専門家に相談してみましょう。
借り換えタイミングは難しい
短期金利よりも長期金利のほうが先行して上昇するといわれています。
同時に上昇するとしたとしても、短期金利が先行して上昇することがない限り、変動金利型の住宅ローン金利が上昇してから固定金利に切り替えようとしても、既に全期間固定金利型の住宅ローン金利はかなり上昇していることでしょう。
金利が上がるということは、景気が良くなっているはずだから、自分の給料も上がっていると楽観している方もいらっしゃるでしょう。もしかしたら、それが、正解かもしれません。
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