住宅ローンでいくら借りる? マイホーム購入後に困らないために
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マイホームの計画を立てるときに、多くの人は、いくらぐらいの価格の住宅を購入できるのか、貯蓄や給料などをベースにして検討することでしょう。そして、大まかな予算を立てて、住宅展示場を見学したり、マンションのモデルルームに足を運びながら、将来の我が家を想像して幸せな気持ちになります。
マイホーム資金の計画
マイホーム資金の計画を立てるときには、(1)貯蓄、(2)贈与、(3)借入 の3つが主な資金源となります。
(1)の貯蓄は、子どものころに貰ったお年玉から始まり、稼いで貯めた貯金や奥さんのヘソクリ、あるいは株で一儲けした資産も含めた、ご自分の資金です。
(2)の贈与は、両親や祖父母から住宅取得資金として贈与をうけることです。直系尊属からの住宅取得資金の贈与は、一定の要件を満たせば、一定額までは非課税となります。
(3)の借入は、一般的には銀行等の金融機関からの借入になりますが、人によっては勤務先や両親から借りる場合もあります。両親などの身内から借り入れる場合には、贈与とみなされないように注意が必要です。金銭消費貸借契約書を作成し、契約どおりに銀行振込により返済する(証拠を残すため)のが安心です。
マイホームのために、いくら借りられるか?
住宅ローンがテーマですので、ここでは上の(3)借入に絞って、マイホーム資金としていくら借りられるかを検討してみましょう。
ここでは、フラット35のWebサイトにあるローンシュミレーション機能を使ってみました。「年収から借入可能額を計算」というページで、年収:500万円、融資金利:2.0%、返済期間:35年、返済方法:元利金等、他の借入金:なし、という条件で借入可能額(概算)を計算してみたところ、なんと借入可能額は 4,402万円という結果がでました。ほんとうに、年収500万円のひとが、4,400万円もの借り入れをして、将来にわたり返済していけるのでしょうか?
借入時の年齢を35歳として、65歳までに返済を終わらせるには、返済期間を30年としなければなりません。上記の条件で、返済期間だけ30年に変えて再計算してみると、借入可能額は3,945万円となります。
住宅ローンいくらなら返せるか?
住宅ローンを借りたら、当然ですが、毎月返済していくことになります。返済できるかどうかは、借入額よりも、毎月の返済額がいくらになるかということが重要です。それでは、毎月の返済額をみてみましょう。
上記の「返済期間30年、借入金額3,945万円」でも、「返済期間35年、借入金額4,402万円」でも、毎月の返済額は同額の14.6万円となります。年収500万円の人が、住宅ローンを毎月14.6万円も返済した場合、どのような生活になってしまいますか?
額面500万円の年収で、手取り年収を400万円とすると、毎月の手取りは約33万円です。住宅ローンを返済した残りは、約19万円となります。そこから、住宅関連費用として、固定資産税や修繕費を積み立てる必要があり、マンションの場合には、さらに管理費等がかかります。住宅関連費用を2万円とすると、残りは17万円です。この17万円は、現在の生活費と比べて多いでしょうか、少ないでしょうか?
毎月10万円の返済で、いくら借りられる?
住宅ローンの毎月の返済額が10万円なら、マイホーム取得後も安心して暮らせるのであれば、毎月10万円の返済で、いくら借りられるか逆算してみましょう。ここでも、フラット35のWebサイトのローンシュミレーション機能を使います。こんどは、「毎月の返済額から借入可能金額を計算」というページです。毎月返済額:10万円、融資金利:2.0%、返済期間:35年で計算してみると、借入可能額は3,018万円となります。さらに返済期間を30年として再計算してみると、借入可能額は2,705万円となります。
家賃と住宅ローン返済額の比較
賃貸マンションに住んでいる人が、分譲マンションを購入することを考えてみましょう。賃貸マンションの家賃が12.5万円、管理費が1万円、駐車場代が1万円と仮定します。この方が、家賃と同じぐらいの住宅ローンであれば返済可能であると考えるのも不思議ではありません。
本当にそうでしょうか、賃貸マンションでは不要であった費用が、分譲マンションでは必要となります。一つ目は、修繕積立金です。賃貸マンションであれば、階段の手すりを直したり、エレベータの取替えなどは大家さんが支払う費用となりますが、分譲マンションの場合は、所有者であるあなたが毎月支払う修繕積立金から支出されます。最近では、マンションのメンテナンスが重視されており、修繕積立金の値上がりしているマンションが増えています。
二つ目は、固定資産税と都市計画税です。賃貸マンションの場合、固定資産税等も大家さんが支払っています。分譲マンションの場合には、固定資産税等もマンション所有者であるあなたに支払い義務があります。固定資産税等が、いくらになるかは、マンションの売買価格ではなく評価額(課税標準額)により定まりますので、例えば3,000万円のマンションを購入したからといって、3,000万円に税率を掛ければ算出できるものでもありません。
参考のために、分譲マンションの修繕積立金が毎月1万円、固定資産税等が(年間18万円)月割りで1.5万円としてみましょう。先ほどの賃貸マンションの家賃を12.5万円払っていた人が、同じような負担で住宅ローンを組むとしたら、毎月の返済額は10万円が妥当ということになります。
住宅購入後も貯蓄をしましょう
多くの人は、マイホームを手に入れるために、毎月コツコツと貯蓄をして頭金を貯めていたことと思います。マイホームを手に入れたあとは、もう貯蓄はしなくてもいい、というわけにもいきません。マイホームを購入した後も、引き続き、コツコツと貯蓄をしましょう。
子どもの教育資金や、親の介護費用、怪我や病気などのために準備するお金など、ある程度の蓄えが必要です。
ローンが払えないなら住宅を売ればいいのか?
これからの時代は、必ずしも年収が右肩上がりでアップしていくわけでもありません。将来、予想以上に年収が上がったら、そのお金で贅沢をしましょう。反対に、将来、予想以上に年収が下がってしまった場合には、家計に余裕がないのであれば、何らかの対策が必要です。
住宅ローンが払えなくなった場合の対策として、せっかく購入した家を売却すればよいと考えている人がいますが、多くの場合は得策ではありません。過去、住宅価格が高騰していたときには、購入価格を上回る価格で中古住宅を売却できましたが、今はそのような時代ではありません。これから住宅を購入するかたは、購入した住宅を売却する場合には、売却価格はかなり低くなっていると考えておきましょう。
そして、せっかく購入した住宅を売却してしまうと、住む家がなくなってしまします。実家に転居できればラッキーですが、新たに賃貸住宅を借りるのであれば、住宅ローンと同じような費用が発生します。そのうえ、住宅という資産も手放すことになってしまいます。
優遇金利期間の終了に注意
住宅ローンには、優遇金利というものが存在します。そして、その優遇金利には優遇する期間が決められております。もっとも安心できるものは、全期間に渡り優遇されるものです。10年間固定金利特約型などの商品には、当初固定金利期間のみ優遇金利が適用される商品があり、この場合は11年目から金利が優遇されなくなります。また、フラット35Sも当初5年間または10年間の優遇金利期間が設定されています。
優遇期間が終了すると、優遇金利が適用されなくなり、優遇されていた分の金利が上がります。結果として、毎月の返済額が高くなります。具体的な例として、ローン残高が2,000万円、残りの期間が20年とした場合に、1.0%金利が上がると毎月返済額が約1万円上がります。
住宅ローンの返済中の方は、ご自身の住宅ローンの優遇金利がどのようなものなのか、返済予定表などで確認することをお勧めします。
住宅ローンなどの金融商品のことは良くわからないというかたも多いと思います。そのような方は、住宅ローンに関わらず、お金のことで相談できる専門家と付き合いを持っておくのもよいでしょう。身体の具合が心配なときにホームドクターに相談するように、家計が心配なときに相談するファイナンシャル・プランナーやホームローンドクターなどの専門家は心強い味方になります。
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