<賃貸or所有> 住宅を借りるか買うか (その2) 老後のこと
賃貸住宅に住むのがよいか、自分の住宅を手に入れるのがよいか、さて、どちらがよいでしょうか。現在の住まいが賃貸住宅の場合、何かの機会のたびに、このまま賃貸住宅に住み続けるのか、分譲マンションや戸建住宅を購入するのかで、悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
賃貸か所有かについて、前回は子供のことを中心に考えましたが、今回は老後のことを中心に考えてみましょう。
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老後を安心して暮らす
老後を安心して暮らすためには、賃貸住宅と持ち家のどちらがよいでしょうか。なんとなく考えると持ち家のほうが安心して暮らせるように感じますが、なぜ、持ち家のほうが安心できるように感じるのでしょうか。持ち家のほうが安心するのは、裏を返せば賃貸住宅のほうが不安に感じることがあるということになります。
賃貸住宅が不安に感じる理由
まず、賃貸住宅が不安に感じる理由を考えてみましょう。
一つ目は、いま住んでいる賃貸住宅に住み続けることができなくなることに対する不安があります。いま住んでいる賃貸住宅の建て替えなどで、別の賃貸住宅に引っ越す場合に、高齢を理由に断られてしまうのではないか、最後まで自分の住処が確保できるのかという心配になります。
二つ目は、家賃を払えなくなる可能性に対する不安です。退職後に年金収入のみになり、少ない生活費の中から家賃を払い続けられるかという金銭的な心配です。
本当に賃貸住宅は不安なのか
一つ目の賃貸住宅に住めなくなるという不安ですが、実際には、サービス付き高齢者住宅などの介護施設に住むことになる可能性もあります。また、人口減少や高齢化が進み、住宅が余ってくるとの情報もありますので、高齢者向けの住宅が用意されるのではないでしょうか。このように考えると、費用的な面を別にすれば、賃貸住宅に住んでいる人が、老後に住む場所が無くて困ることは考えにくいでしょう。
二つ目の家賃を払えなくなるという不安ですが、老後は収入に合わせたコンパクトな生活をすることにより、費用面では持ち家よりも有利になる可能性もあります。賃貸住宅であれば、老後はコンパクトに生活し、収入に合わせた大きさの賃貸住宅を選ぶことができます。持ち家の場合には、老後の生活に合わせたコンパクトなサイズに変更するのは難しく、さらに費用面では、固定資産税や修繕費などの負担もかかります。賃貸住宅に住んでいれば、収入に合った、コンパクトな生活に変えられるという安心感があるのではないでしょうか。
持ち家が安心と感じる理由
それでは、持ち家が安心と感じるのはどのような理由からでしょうか。賃貸住宅が不安であるという理由の裏返しになるでしょうか。
持ち家が安心という一つ目の理由は、持ち家には資産価値があるということです。長期間の住宅ローンを払い続けた結果、住宅は自分の資産になりますので、万が一の時には、自分の資産である住宅を売って、必要な資金を得ることが可能です。しかしながら、住んでいる住宅を売れば、売った後には賃貸住宅などに住まなければならず、結果として追加の住宅費が発生してしまいます。
二つ目は、自分の住む場所が確保されているという安心感でしょうか。そのかわり、維持費などの必要な費用をかけて持ち家を維持していく必要があります。30歳で家を購入している場合、60歳のときには既に30年経っています。85歳まで生きるとすると、さらに25年間住み続けることになります。人生の後半で、それなりの費用を掛けて大規模に修繕する必要がでてきそうです。
このように考えると、持ち家に住んでいようが、賃貸住宅に住んでいようが、十分な資産を持っていなれば、老後は安心できないという当たり前の結論になります。
持ち家による資産形成のメリット
十分な資産を持っていれば、賃貸住宅だろうが持ち家だろうが、老後は安心ということになるのですが、十分な資産を蓄えるためには、持ち家と賃貸住宅のどちらがよいのかということになります。
地価の大幅な上昇や、低金利が見込める場合には所有した方が得でしょう。地価の大幅な下落や、高金利が見込まれる場合には賃貸の方が得かもしれません。賃貸とか持ち家とは関係なしに、老後に向けてどのように資産を蓄えていくかということが重要です。例えば、賃貸住宅に住んで、不動産価格が上昇するなら不動産投資をし、株が上昇するなら株式投資をすることも可能です。また、円安に向かうということなら、海外投資も選択肢となります。
ここで敢えて私見を述べると、持ち家による資産形成のための一番のメリットは、「自分の家を買ったから、その他の贅沢を我慢できる」ということに尽きるような気がします。高額な家を購入したことにより、他の消費を抑制することができ、結果として、住宅ローンの繰上返済をしたり、浪費を抑えたりしながら、自然と資産が蓄積されていく人が多いのではないかと思います。
今回も、ある人の人生を考えてみましょう。若いときに郊外の住宅を購入し、65歳の定年まで働いて、住宅ローンを完済しました。子供も独立し夫婦2人の生活ですので、贅沢をしなければ年金収入だけで生活していけます。退職し、サラリーマン時代には忙しくてできなかった海外旅行に出かけようか、登山や釣りに山や海に通うために新しい車を買おうか夢を膨らませていました。ともに生活している奥様に相談したところ、どこかに出かけて行ってもいいけど、お風呂と屋根と壁をメンテナンスしてからにしてね!・・・え、もう少し働くのか・・・(?)
~おまけ26~
~~ おまけ25のもと ~~
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天つ風 |
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