アパートローン新規貸出減少
8月22日付の日本経済新聞が「個人向けアパートローンは、2017年4~6月の新規貸出額が前年同期比15%減の7171億円だった」と報じた。金利低下に加え、15年の相続税の課税対象拡大を背景に節税目的で増えていたアパート建設が一巡してきた。
また、国土交通省がまとめた貸家の新設住宅着工戸数は、2017年6月は前年に比べ2.6%減、4~6月の3ヵ月では0.3%増となった。
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/jouhouka/sosei_jouhouka_tk4_000002.html
貸家業向け貸出については、日本銀行の2016年10月の金融システムレポートの「信用リスク面での課題」の中で以下のように注意喚起されている。
「特に、地域金融機関で高い伸びが続いている貸家業向け貸出については、このところ一部の地域で賃貸住宅市場の空室率が高まっていることを踏まえると、入口審査での収支計画の検証や中間管理の適切な実施がより重要となっている。さらに、貸家業向け貸出の融資期間は長期にわたることが少なくない点を踏まえると、将来的に金利が上昇した場合の収支の検証や大規模修繕費の勘案等が必要である」
https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/data/fsr161024a.pdf
以下の内容は、ローンのことを分かりやすくお伝えする<支援LOAN(シェンロン)事務局>からの情報です。
今回は賃貸住宅およびアパートローン等に関する話題でしたが、それに絡んで、民泊の話題を取り上げます。
ある方面からは、人口の都市集中により都市部の優良賃貸住宅が不足している。都市部では、ワンルームマンション等の単身世帯向け賃貸住宅が多く、家族向けの40㎡以上の優良な賃貸住宅が足りないとの情報があります。
一方、2016年10月の日銀金融システムレポートは、貸家業向け貸出が増加しているなか、賃貸住宅市場の空室率が高まり、貸金業の収支悪化、結果として金融機関の収益悪化を懸念しているような内容となっております。
賃貸住宅の空室が増えることと、最近の民泊の広がりを考えると、賃貸住宅の空室が更に民泊を勢いづけることになるのではないでしょうか。
また、二世帯住宅が脚光を浴びたように、民泊向け住宅のようなものが脚光を浴びることになるかもしれません。建築当初から、民泊を想定した部屋を用意して住宅を設計したり、二世帯住宅を民泊向けにリフォームしたりすることが、選択肢の一つになる時代となってきたかもしれません。
外国の方と触れ合いたい、異なる文化をもった人と話をしてみたいという方は、趣味と実益を兼ねた、生き方のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
民泊といえば、エアビーアンドビー(Airbnb)が思い浮かびます。エアビーアンドビーは、自分が所有できない立派なお城に泊まってみたり、大規模イベント会場の周辺でホテルが取れないときに活用したりするものと理解していました。ところが、普通の家に、普通の人が泊まるようなパターンも多く、そして、ホテルとの違いは人と人との触れ合いだそうです。あまり干渉されずに、プライベート空間でゆっくり出来ることから、旅館よりホテルを好む人が多かったのではないでしょうか。“時代はめぐる“と中島みゆきが歌うように、“旅は道連れ、世は情け“の時代に逆戻りしているようですね。
さらに、エアビーアンドビーのサイトをみると、“Airbnbで出張ステイをもっと快適に“というフレーズで、ビジネスニーズに対応しています。エアビーアンドビーが、ここまでサービスを拡張するとは想定外だった、と驚かれる方が多いのではないでしょうか。
民泊あるいはエアビーアンドビーは、これからの旅行業界に大きなインパクトを与えることは確かですが、賃貸住宅市場・貸家業向け貸出にも少なからず影響があります。当サイトしても注目していきます。
支援LOAN(シェンロン)事務局からでした。次回をお楽しみに!
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