住宅ローンの金利優遇幅は縮小し、結果として金利上昇に向かうのか? 金利優遇期間終了に注意!

シェンロン 住宅ローン ニュース SL 7月4日の日本経済新聞の一面トップに「住宅ローン、変動型が過去最高56%/低金利、長期化見込む 」という記事が掲載されました。住宅ローンのことが、日経新聞の一面トップに掲載されることは珍しいですね。この機会に、今後の住宅ローンの金利に関連して、どのようなことが想定されるか考えてみましょう。ここでは、あくまでも仮の話ですので、住宅ローンの選択や借り換えについては、当サイト以外の情報も調べた上で、ご自身の判断でお願いします。
 なお、住宅ローンの今後について、専門家と相談してみるのもよいかも知れません。<住宅ローンの専門家を探す>

 

 

 

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変動金利型を選択する借り手が急増

 ここ数年、住宅ローンを借り入れている人で変動金利型を選ぶ人が急増しているという調査結果が出ております。住宅金融支援機構のアンケート調査によりますと、変動型金利で借りている人の割合は、10年前は2~3割でしたが、11~12年度に5割を上回りました。13年4月以降は固定型の金利で借りる人が増えていましたが、直近では変動金利で借りる人が増え、2017年度下期に借り入れをした人の56.5%が変動金利を選択しており、前年同期に比べて9ポイント増えて過去最高になりました。
 今後も低金利政策が続くであろうという予測により、変動金利を選択していたり、借入限度額を増やすために金利の低い商品を選択した結果、変動金利型の住宅ローンを選択しているのではないでしょうか。

 

変動金利型の金利は上昇するか?

 日本銀行のマイナス金利政策の導入後に、固定金利型の住宅ローンで金利競争が激しく展開されましたが、最近では、変動金利型での金利競争が激しくなっております。直近では、住信SBIネット銀行とりそな銀行が変動金利の低金利競争でデットヒートを繰り広げました。あまりにも低金利のため、銀行収益が悪化するのではないかとの心配もあります。
 また、日本銀行の超低金利政策が長期化するのではないかとの観測がされています。
 住宅ローンの変動金利型の金利は、短期プライムレートを基準にしておりますが、上記のような状況ですと、短期プライムレートは今後もあまり変化しないかもしれません。
 三井住友銀行を例にすると、現時点の短期プライムレートは1.475%となっております。そして、変動金利型の住宅ローンの店頭金利は2.475%となっており、店頭金利から金利優遇(1.7%~1.85%)がされて、実際の適用金利は0.625%~0.775%となっております。
 三井住友銀行の例を見ても、金利優遇幅がかなり大きくなっており、適用金利がかなり低く抑えられているような感触を受けます。昨今の銀行等の収益悪化や、人員削減等のリストラ報道をみていますと、収益改善が喫緊の課題のようです。このようなことから、今後、住宅ローンの金利優遇幅が縮小してくる可能性は否定できないのではないでしょうか。

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金利優遇幅縮小による影響

 短期プライムレートや長期プライムレートが低金利のまま変わらず、金利優遇幅のみが縮小した場合には、どのようなことが起こるのでしょうか?
 これから住宅ローンを借りる人は、借入時点において、短期プライムレートや長期プライムレートが今と変わらずに、金利優遇幅が今よりも縮小されるとします。そうなると当然ですが、金利優遇幅が縮小された分の金利と同じだけ、今よりも借入金利が上がってしまいます。
 既に住宅ローンの借り入れをしている人で、完済まで金利優遇幅が変わらない商品を契約している人は、金利優遇幅の縮小による影響は受けません。
 既に住宅ローンを借り入れている人で、特に注意しなければいけない人は、当初○○年のみ金利の優遇を設定されている商品を契約している人です。優遇期間が終了すると、その時の状況により、当初と同じような金利優遇が受けられなく可能性があります。

 

当初優遇(当初○○年のみの金利優遇)の住宅ローン

 当初優遇の商品ですと、借入期間のうち当初の一定期間のみ優遇金利が適用されます。当初優遇期間が終了すると、優遇幅が縮小されたり、優遇がなくなったりします。その代わりに、通期優遇よりも当初優遇期間の優遇幅は大きく、当初優遇期間だけをみると、低い金利で借りることができます。
 一定期間固定金利型(借入当初の3年・5年・10年などの金利が固定される)の住宅ローンの場合、固定金利期間が終了したタイミングで、金利優遇期間が終了する可能性がありますので、注意が必要です。

 

通期優遇の住宅ローン

 通期の金利優遇では、当初借入から完済まで優遇金利が適用されます。当初優遇と比較すると借入金利は高くなりますが、通期で金利が引き下げられ、通常の金利優遇幅の変更には影響を受けません。

 

三井住友銀行の事例(当初優遇)

 三井住友銀行の当初優遇商品の事例を見てみましょう。
 三井住友銀行の当初優遇商品は、「最初にぐぐっと引き下げプラン」というものです。三井住友銀行のホームページ(2018年7月6日現在)には、以下のような説明が載っています。

「当初固定金利特約期間は、固定金利特約型(5年・10年)の店頭金利より▲年2.2%とします。当初の固定金利特約期間経過後は「変動金利型」「固定金利特約型(2年・3年・5年・10年)」のいずれの金利を選択した場合も、お借入期間中、最後までその選択時点の店頭金利より▲年1.4%となります。」

 固定金利特約型5年(保証料外枠方式)ですと、店頭金利3.0%、優遇幅2.2%で、当初の5年間の適用金利が0.8%となります。5年後の優遇幅が1.4%ですので、5年後に変動金利を選択した場合は、そのときの変動金利の店頭金利が今と同じ2.475%だとしたら、適用金利は1.075%となります。5年後に再度、固定金利特約型5年を選んだ場合は、そのときの固定金利特約型5年の店頭金利が今と同じ3.0%だとしたら、適用金利は1.6%になります。

 仮の話として、今後、金利優遇幅が縮小し、さらにベースとなる短期プライムレート等が上昇した場合には、長期固定金利型の商品ではない方は、返済していくのが苦しくなるかもしれません。特に、一定期間固定金利型の住宅ローンで、当初の固定金利期間が5年以下と短い商品を選択している方は注意が必要ですので、この機会に住宅ローンの専門家などに相談してみてはいかがでしょうか。

 最後になりますが、住宅ローンは長期間に渡る返済となります。少しでも得をしたいとか、少しでも総返済額を下げたいという気持ちもわからないでもありませんが、確実に返済できるように資金的な余裕を持ち、返済不能となって生活が破綻しないようにすることのほうが大切ではないでしょうか。多少は損になる可能性があるとしても、返済計画など、資金的な余裕をもって取り組まれることをお勧めいたします。

 

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~おまけ39~

シェンロン 住宅ローン おまけあなたには
  一桁足りぬ
  通帳に
  ゼロを増しつつ
  おもかげに見ゆ

 

おまけ38のもと~

古今和歌集 (笠間文庫) [ 片桐洋一 ]

冬ながら

空より

花の散りくるは

雲のあなたは

春にやあるらむ

(清原深養父)

 

 

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住宅ローンの金利優遇幅は縮小し、結果として金利上昇に向かうのか? 金利優遇期間終了に注意!” に対して1件のコメントがあります。

  1. ダンディ より:

    千頭と千豆もかかっているんですね。

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