頭金なしで全額を住宅ローンで借りて、繰上げ返済を活用して総返済額を抑える

住宅ローン ニュース シェンロン 頭金なしで、全額を住宅ローンで借りてマイホームを購入することは無謀なことでしょうか?
 ひと昔前までは、頭金を2割ほど貯めてから、住宅を購入する人が多かったようです。近年は、生活スタイルや借金へのスタンスも様々となり、頭金なしで全額を住宅ローンで借り入れて住宅を購入する人が増えております。そして、「魚心あれば水心あり」とでも言うのでしょうか、近年は、多くの金融機関で、頭金なしで住宅購入資金の全額を借りることができる住宅ローン商品も用意されております。
残念なことに、住宅購入資金の全額を借りられる住宅ローンは金利が高くなる傾向があり、住宅ローンの総返済額が多くなってしまうというデメリットがあります。
 しかしながら、借入時は資金的にきつくても、借り入れ後の収入に余裕がある場合などには、繰上げ返済をうまく活用することにより、総返済額を低く抑えることが可能となります。
以下では、長期固定金利住宅ローンのフラット35を例に説明します。

 

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  全額をフラット35で借り入れる場合

 フラット35は融資率が9割超と9割以下で、金利が異なります。全額をフラット35で借り入れる場合は、フラット35(9割超)の金利で借り入れることになります。現在(2018年8月)のフラット35(9割超)の金利は、1.78%です。これは、フラット35(9割以下)の金利1.38%より0.4%高く設定されております。
 

「フラット35で9割、併せ融資で1割」を借り入れる場合

 「フラット35で9割を借り入れ、併せ融資で残りの1割を借り入れる場合、フラット35(9割以下)の金利は1.38%で借り入れることができます。残りの1割の併せ融資の金利は多少割高になり、また金融機関により異なりますが、日本モーゲージサービス株式会社の「MSJフラット35【ベストミックス】」では、変動金利型で2.6%(2018年8月)と設定されています。
 

全額フラット35で借り入れる場合と併せ融資を活用する場合の比較

 全額フラット35で借り入れる場合と併せ融資を活用する場合の総返済額の比較をしてみましょう。ここでは、日本モーゲージサービス株式会社の「MSJフラット35【ベストミックス】」の事例を紹介します。(詳細は同社のHPを参照ください)
  

   借入金額3,000万円を、返済期間35年で、元利均等方式の毎月払いで借入れる場合のシミュレーションです。

フラット35で全額(3,000万円)を借り入れる場合
  フラット35(9割超):金利年1.790%
  毎月返済額:96,176円
  総返済額:40,393,808円
 
「フラット35で9割(2,700万円)、併せ融資で1割(300万円)」を借り入れる場合
  フラット35(9割以下):金利1.350%
  併せ融資:金利2.600%
  毎月返済額:91,586円
  総返済額:38,465,890円

※シミュレーションに使用しているフラット35の金利は、2018年4月時点のもの(フラット35(9割以下)1.35%、フラット35(9割超)1.79%)を使用しております。
 ※借入期間中は金利の変動が無いものとしてシミュレーションをしております。 

日本モーゲージサービス株式会社のHPより

上記のように、「フラット35で9割、併せ融資で1割」を借り入れた方が、毎月返済額は4,590円、総返済額では1,927,918円もお得になります。
 
 

繰上げ返済をうまく活用する

  「フラット35で9割、併せ融資で1割」を借り入れた場合、総返済額は約3,846万円となります。内訳は、フラット35が3,389万円、併せ融資が457万円となっております。
 繰上返済する場合には、併せ融資の金利が2.6%と高めの設定になっておりますので、併せ融資から繰上返済していくとかなりお得になります。併せ融資300万円に対する利息が157万円となっていることから、合わせ融資分300万円を上手に繰上返済して、併せ融資の利息の半分を節約できたとすると、約78万円が節約できることになります。
 全額をフラット35で借り入れた場合に、上例と同じようなやり方で300万円を繰上返済し、300万円分の利息の半分を節約できたとすると、約52万円が節約できることになります。
同じように300万円の繰上返済をしたとしたら、上記の事例では「フラット35で9割、併せ融資で1割」を借り入れたパターンの方が、26万円がお得になります。
 
 頭金なしで、全額を住宅ローンで借りてマイホームを購入するときの問題は、万が一、住宅購入後に売却をする事態になったときに、住宅の売却金額より多くの住宅ローン残高が残ってしまう可能性がより大きくなることです。
 途中で住宅を売却することなく、住宅ローンを最後まで無理なく返済していくという観点からは、住宅ローンの融資率が高い(全額借入等)ことよりは、毎月の返済額を着実に返済していけること、健康と、安定した収入が大切ですね。

 

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頭金なしで全額を住宅ローンで借りて、繰上げ返済を活用して総返済額を抑える” に対して 2 件のコメントがあります

  1. ダンディ より:

    打ち上げと、繰り上げがかかっているんでしょうか?

  2. まつお より:

    >ダンディさん

    上げ、上げ でいいですね!!

    でも、ちょっと無理があるけんの〜

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