人生100年時代の住宅ローン(2) 「人生後半の住宅事情」
100歳まで生きるとしたら、「人生後半の住宅事情」はどのようになるのでしょうか? 当サイトでも同じですが、住宅情報のほとんどは一次取得者のための情報です。これから子育てを始める人、社宅で長年暮らしてきた人が初めて住宅を取得するための情報がほとんどなのではないでしょうか。2度目3度目の住宅取得の情報が少ないのは、そのような人達は特殊な人、あるいは、お金をたくさん持っている人達だったからなのでしょうか。単に情報が少ないだけで、2度目の住宅を取得しているかたは沢山いらっしゃいます。
さらに、昨今にわかに賑わっている人生100年ともなれば、多くの普通の人にとっても2度目の住宅取得という課題が持ち上がります。
木造住宅の寿命
国土国交省では便宜上の木造住宅の寿命を約30年としています。実際には、土地の持ち主が変わり住宅が建て替えられたり、区画整理で住宅を壊したり、家族構成が変わって建て替えたりしているため、これらのものも含めた年数が30年ということで、木造住宅の耐用年数そのものが30年程度ということではなさそうです。木造住宅でも長持ちする素材を使用して、適切なメンテナンスをすると50~60年それ以上もつといわれています。
なお、住宅の主要部分に耐用年数が短い合板などが利用されていると、それらの材料の耐用年数が住宅の耐用年数となってきますので、ローコスト住宅などは注意が必要なようです。
マンションの寿命
RC造のマンションの場合の寿命37年という数字は建て替えられたマンションの平均築年数であり、その中には都市計画といった耐用年数以外の要因によって取り壊されたものも含まれています。
マンションの物理的寿命は100年とも120年とも言われておりますが、これはコンクリートの寿命であり、コンクリート部以外も含んだマンション全体の寿命ではありません。マンションを長生きさせるためには適切な構造と適切なメンテンテナンスが必要となりそうです。余談ですが、アメリカのニューヨークにあるエンパイア・ステート・ビルディングは、竣工から88年経ちますが、いまだ現役で活躍しております。
また、今後のマンションのことを考えると、マンションの管理が適切に行われているかという問題のほうが大きいかもしれません。マンションを当初購入した人たちが高齢化し、住民の世代交代がうまく行われないと、適切な管理が行われなくなり、そのマンションの住民の高齢化がマンションの社会的な寿命となってしまう可能性もあります。
人生100年というけれど
人生100年としたら、例えば、現在30歳の人たちは、あと70年も生きることになります。70年後のことを想像できるでしょうか?明治元年に昭和13年のことを、昭和元年に平成8年のことを、GHQ統治下にあった昭和24年に現在のことを、想像できたでしょうか。かなり難しいですね。
ということで、現在30歳の人たちの老後のことは置いておいて、現在60歳の人たちのことを考えてみましょう。
現在60歳前後の人たちは、どのような住宅事情でしょうか。30歳前後で結婚して子供を産んで、住宅を建てたり購入したりした人は、現在、築30年の住宅に住んでいることになります。
さて、100歳まで生きるとすると、あと40年の人生が残っています。あと40年、どこに住むのがよいでしょうか?
親の介護、引退後の生活を考慮して故郷に帰る。都会の生活ではなく田舎で生活する。通勤しなくてよいので郊外で暮らす。または、いまの住宅に住み続けることなどが考えられます。
引退後の住まいを考える
人生100年として、30歳で住宅を購入したとしたら、65歳がちょうど中間点になります。そして、現在の60歳のサラリーマンは、ほとんどの人が65歳で現在の職場から引退することでしょう。
故郷に帰る:故郷から都会に出て仕事をしていた人は、現在の住まいを売約するか子世帯に譲り渡して、故郷に帰りましょう。そして、故郷の実家をリフォームして暮らしましょう。帰る故郷は、ご主人の故郷でも奥様の故郷でも。
別荘地に暮らす:故郷がなかったり、故郷はあるけれど実家は兄弟などが継いでいたりする場合に、思い切って別荘地に定住してしまいましょう。別荘地であれば、古いしがらみもなさそうです。新しいしがらみができるかも知れませんね。予算が少ない場合には、価格がかなり下がっているリゾートマンションを趣味に合わせて購入するのはいかかでしょうか。スキーが好きな人はスキーリゾート、山が好きな方は山岳リゾート、釣りが好きな人は海辺のリゾート、無趣味な人は温泉リゾートなど、考えるだけでも楽しくなりますね。
郊外に暮らす:都心に持ち家がある場合には、その持ち家を売り払って、郊外に新しく住宅を購入してみてはいかがでしょうか。都心の持ち家が高く売れなかったら、手ごろな中古物件を探して、リフォームをして住むのもよさそうです。
海外に暮らす:海外が好きな方は、海外で暮らすのもいいですね。円安になると優雅な海外生活が遠のきます・・・。
仕事と暮らす:65歳を過ぎてもなお仕事をすることが幸せと思う人は、仕事を優先に住宅を考えることがよいでしょう。店舗兼住宅、職住接近の住まい、すばらしいですね。もしかしたら家計の事情で、働き続けなければならないかもしれません。(あなたも私も)高齢になってからの通勤ラッシュは厳しいですね。
今回は、人生100年時代の住宅事情という話題でした。次回は、人生100年時代の住宅を考えるうえで、住宅ローンを含んだ資金的なことも話題にできるといいですね。
人生100年時代の住宅ローン(1) 政府の「人生100年時代構想」とは
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