生活費や小遣いを増やそう!(その2) 住宅ローンの繰上返済の前に

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 前回(その1)での説明は、生活費や小遣いを増やすために、「住宅ローンの借換えを検討してみてはいかがですか」 というお話をさせていただきました。今回(その2)は、住宅ローンの繰上返済をしようとしているかたに、豊かな生活を送ることを考えて「繰上返済をするまえに、もう一度検討してみましょう」というお話をさせていただきます。

 ここ数年の住宅ローンの金利は、かなり低い水準で推移しています。皆様が借入れている住宅ローンの実際の金利は、借入時期、金利タイプ、金利優遇幅、借入金融機関などにより異なってきますが、ここでは住宅ローンの金利を1%として繰上返済に関する様々な計算をしてみましょう。

 

繰上げ返済「期間短縮型」と「返済額軽減型」

 繰上返済には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」があり、「期間短縮型」は毎月の返済額を変えずに残りの期間を短くする方法で、「返済額軽減型」は返済期間を変えずに毎月の返済額を減額する方法です。

 例えば、現在の借入残高が3000万円で、残りの返済期間が30年の住宅ローンがある人が、手元に300万円の資金を蓄えたとします。住宅ローンの総返済額のみに着目した場合には、300万円を期間短縮型で繰上返済するのが効果的です。
 3000万円を金利1%で30年間の元利均等方式で返済した場合には、毎月の返済額が96,491円で、総返済額が34,736,908円となります。
ここで、翌月に300万円を期間短縮型で一部繰上返済したとすると、毎月の返済額は変わらずに、返済期間は26年7ヶ月で総返済額は約3376万円で当初より約97万円の削減効果があります。
 一方、期間短縮型ではなく返済額軽減型で300万円を一部繰上返済したとすると、返済期間は変わらずに、毎月の返済額が86,819円となり、総返済額は約3427万円で当初より47万円の削減効果となります。

 

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総返済額よりも毎月の返済額を減らす

 上では、総返済額に焦点をあてて検討してきましたが、ここでは毎月の返済額に焦点を当ててみましょう。
 期間短縮型を選んだ場合には、毎月の返済額は変わらない代わりに、26年7ヶ月後には住宅ローンの返済が終わります。返済額軽減型を選んだ場合には、毎月の返済額が約9,600円安くなり、年間の返済額としては約11万円の削減となります。返済期間は30年のままです。
 返済額に焦点を当ててみると、26年7ヶ月後に効果がでる期間短縮型が良いのか、翌月から9,600円の削減効果がでる返済額軽減型が良いのかという判断になります。

 今回の記事が、生活費を増やしたり、お小遣いを増やすことをテーマとしておりますので、話の流れからは、翌月から毎月9,600円の効果がでる返済額削減型を選んだらいかがでしょうか!という結論になりそうです。

繰上げ返済せずに手元資金を充実させる

 本当に返済額軽減型の繰上返済がお勧めでしょうか?もう少し考えてみましょう。そもそも繰上返済をするべきなのでしょうか。
 豊かな生活を送るために、300万円を繰上返済せず手元資金として預金しておくことという方法もあります。この300万円は、いざというときの資金として普通預金か、いつでも解約可能な定期預金などに預けておきます。今のご時世、定期預金の金利などは無いに等しいぐらいの低金利ですので、預金しておくのが勿体ないという人も多いでしょう。
 しかしながら、いざというときに、何時でも使える300万円が手元にあるという前提で、考えてみましょう。例えば、怪我や病気などで入院した時に備えて医療保険に加入している場合など、手元に300万円あるということであれば、医療保険を解約するという選択肢もあるのではないでしょうか。医療保険が毎月2,000円だとすると、年間で24,000円、30年間で72万円となります。高額医療制度も整っている現在の日本では、健康保険の範囲内の医療を受けている限りは、手元に300万円あればカバーできる範囲と考えられます。
 意見が分かれるところではありますが、筆者としては、発生する頻度は低いけれど、発生した時の金額が大きいものに、保険を掛けるものと考えています。発生する頻度が高くても低くても、発生した時の金額が低いものは、貯金等でカバーすれば良いのではないかと考えます。また、発生する頻度が高くて、発生した時の金額も高いものは、そもそも保険として成り立つことが難しいのではないでしょうか。

繰上げ返済よりも投資?

 300万円を手元資金として預金しておくという方法のほかに、この300万円を使って投資をすることも選択肢と考えます。
 住宅ローンは、住宅ローンの残高に応じて、税金の控除を受けられますので、税金面からみると優遇されております。これは、住宅産業を活性化させるという政府の経済対策ですが、政府は投資に関する政策も行っております。たとえばNISAや、今年から始まった積立NISAのような少額投資非課税制度です。
 手元にある300万円を投資して、1%(複利)の利回りを実現できた場合、30年後には404万円となります。
 今回の生活費や小遣いを増やすというテーマからは少し離れてしまいますが、投資は儲けるためにするという考えだけではなく、今後の物価上昇時などをリスクとみなすのであれば、物価に連動するような投資をしておくのもリスク対策のひとつといえます。

 今回は、手元に300万円の資金があるという前提で、どのような繰上返済をするのが良いのか、手元資金として預金しておくのが良いのか、はたまた投資をするのが良いのかについて検討してみました。
 手元にある資金の活用方法については、皆さま方の資産状況や家族構成により、様々な面から検討が必要な内容です。是非、家族の皆さまや、ファイナンシャルプランナーなどの専門家と相談して、ベストな活用をしてください。

 

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