住宅ローンの返済が苦しくなったとき、返せなくなる前の対処

マイホームの購入資金として住宅ローンを借りた場合には、以後長期間にわたり返済を続けていくことになります。その間には、様々なことが起こり、中には住宅ローンの返済が困難になるようなこともあるでしょう。賢明な皆さまなら　めったに起きないことかも知れませんが、そのような万が一の場合に備えておくことも大切なことではないでしょうか。

住宅ローンQ&A　　住宅ローン専門家

- 目次 -

0.1 普段から余裕資金を蓄えておきましょう
0.2 住宅ローンを返すのが難しいときは早めに対応しましょう
0.3 住宅ローンの返済が困難になりそうなときには家族の協力を得ましょう
0.4 専門家のアドバイスを受けましょう
0.5 ～おまけ２８～
0.6 ～～　おまけ２７のもと　～～

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普段から余裕資金を蓄えておきましょう

　あなたは、住宅購入時の頭金を用意しましたか？　用意した頭金は自分の収入から蓄えましたか？　これらの質問に「YES」と回答した方は、たぶん住宅ローンの返済が始まっても余裕資金を蓄えていかれることでしょう。上記の質問の回答が「NO」の方は、将来の不測の事態のために、貯金の積み立てなどを開始することをお勧めします。また、今回の余裕資金は、いざというときに使えるお金を蓄える必要がありますので、確定拠出年金などの決められた時にしか使えないものは適切ではありません。

住宅ローンを返すのが難しいときは早めに対応しましょう

　住宅ローンが払えなくなる時というのは、一般的に収入が減ったり途絶えたりするときです。例えば、事故や病気で長期入院となり働けなくなる、勤め先の業績不振でリストラに合う、事業をしている方がその事業がうまくいかなくなるなど、様々なことが起こり、収入が減ったり無くなったりします。このようなときには、上述した蓄えがあれば一時しのぎが可能ですが、余裕資金があるうちに、早めの対応をお勧めします。
　体調が回復するまでの間、再就職先が決まるまでの間など、一定期間の返済を猶予してもらう、返済期間を延長して毎月の返済額を減額してもらうことなどを、借入先の金融機関に相談してみましょう。
　住宅金融支援機構のフラット３５などの場合には、返済が困難になった人のために返済特例（返済期間の延長（最長15年）など）が用意されています。

住宅金融支援機能の返済特例の概要
（対象：以下の３つの項目すべてにあてはまる方）
１．離職や病気等の事情により返済が困難となている方　
２．以下の収入基準のいずれかを満たす方
（１）年収が機構への年間総返済額の４倍以下
（２）月収が世帯人数Ｘ64,000円以下
（３）住宅ローン（機構に加え民間等の住宅ローンを含む）の年間総返済額の年収に対する割合（以下「返済負担率」という）が、年収に応じて下表の率を超える方で、収入減少割合が20％以上

３．返済方法の変更により、今後の返済を継続できる方

　また、失業中または収入が20％以上減少した方には、元金据え置き期間（最長3年）の設定も可能となっているようです。詳しくは、住宅支援機構の情報を参照ください。

住宅ローンの返済が困難になりそうなときには家族の協力を得ましょう

　長いサラリーマン生活をしていると、良いこともありますが、たまには悪いことも起きます。給料が減額されることもありますし、予定通りに昇給しないこともあります。また、給料が上がると思って転職したけれども、その会社になじめず、給料は下がるけれども自分に合った会社に再度転職することもあります。そのような場合には、早めに家族に事情を打ち明けて、早急に家計のスリム化に着手しましょう。さらに、ご両親が健在の場合には、ご両親に相談することで解決につながるかもしれません。また、働ける家族がいる場合には、少しでも働いてもらって世帯収入を得るようにしましょう。
　家を手放さなければならない状況になる前に、家族みんなの家を守るために家族で一致団結して頑張りましょう。後回しにすればするほど、問題は大きくなり、自宅の売却などによる対策しかなくなってきてしまします。

専門家のアドバイスを受けましょう

　住宅ローンの返済が困難な状況になったら、早めに専門家に相談することを検討しましょう。住宅ローンの返済猶予の方法だけでなく、住宅ローンを借り換えによる、毎月の返済額の減額により、収入源をカバーできる場合もあります。また、不要な保険を見直したり、加入している保険の中に今回活用できるものがあるかもしれません。
また、ご両親の介護により、現在の仕事を継続することが困難と思われている方は、介護に詳しい専門家に相談してみてはいかがでしょうか。最近では、介護に詳しいファイナンシャルプランナーの方もいらっしゃいますので、介護を含めてトータルで相談することも可能になってきています。
　不測の事態に陥った時には、ひとりで悩まずに、周りの方や信頼できる専門家の方に相談して、早めの対処を心掛けましょう。
　ネットで質問できる法律関係のサイトとして、弁護士ドットコムというサイトがありますので、こちらも有効活用してみてはいかがでしょうか。