住宅ローンの収入合算 ~ 妻が会社を辞めました に備えて ~
住宅ローンの借入額は、購入する物件の価格で決まってきます。多くても購入する物件の金額に諸費用を加えた額までとなります。実際に借入れるときには、借入先の金融機関による審査があり、借入希望者の勤務先、年収、勤続年数などから総合的に審査し、金融機関が貸し出す金額を判断します。
そのため、気に入った住宅が見つかっても、希望する金額の住宅ローンの審査に通らなければ、その住宅を諦めることになります。
このような場合に、配偶者の収入を合算(収入合算)して、審査してもらうことができます。
- 目次 -
収入合算とは
「収入合算」とは、本人の収入に配偶者や親族などの収入を合算することです。その合算した年収をもとに、金融機関が借入可能額を審査します。
金融機関での審査では、「返済負担率」というものを使用します。「返済負担率」とは、年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合のことで、 一般的には、「返済負担率」は25%から35%以内がめやすとされています。
「返済負担率」を計算するときの年収に、「収入合算」した年収を使用することにより、借入れることができる住宅ローンの額も多くなります。
収入合算の条件
各金融機関で収入合算の条件が異なりますが、参考までに、【フラット35】の収入合算の条件は以下のようになっています。
<収入合算の条件>
次の1~4全ての要件に当てはまる方ひとりの収入を合算できます。
1.申込みご本人の親、子、配偶者等
2.申込時の年齢が70歳未満の方
3.申込みご本人と同居される方
※ご親族が住むための住宅の場合は、借入対象となる住宅に入居される方も収入合算できます。
※セカンドハウス・ご親族が住むための住宅の場合は、申込みご本人と収入を合算する方が同居する必要のない場合があります。
※申込みご本人が住むための住宅の場合、親子リレー返済の後継者にはこの要件は必要ありません。ただし、取扱金融機関によって取扱いが異なる場合があります。
4.連帯債務者となる方(1名のみとなります。)
【フラット35】について、「収入合算」の条件のほかに、合算できる金額 と 「収入合算」した場合の借入期間の上限 についてもみておきましょう。詳細は、住宅金融支援機構のサイトをご確認ください。
<収入合算できる金額>
収入合算できる金額は、収入合算者の年収の全額までです。ただし、合算額が収入合算者の年収の50%を超える場合には、借入期間が短くなる場合があります。詳しくは「収入合算した場合の借入期間の上限」をご参照ください。<収入合算した場合の借入期間の上限>
借入期間の上限=80歳-「次の1または2のうち年齢が高い方の申込時の年齢(1年未満切上げ)」
1.申込みご本人
2.合算額が収入合算者の年収の50%を超える場合の収入合算者
収入合算したときの注意
「収入合算」することは、一人の収入では多すぎる金額を借り入れていることになりますので、当然ですが、合算した相手方の収入を当てにすることになります。
妻の収入を合算している場合、将来、出産や介護などで離職する可能性があります。
本人の収入が増え、本人のみの収入で返済が可能となる場合はよいのですが、本人の収入も増えるけれども、生活費も増えることになれば、本人のみの収入では返済が苦しくなります。
離職する場合でも、長期間の離職にならずに復帰できることが望ましいですね。また、復帰後の収入が少なくなることも考慮して、収入合算するときの妻の年収を50%程度にしておくと良いかもしれません。
また、収入合算した妻に対して、団体信用生命保険に加入していない場合には、万が一に備えて民間の生命保険への加入も検討しておく必要があります。
住宅ローンの借り換えに備えて
「収入合算」で借入れた住宅ローンを借り換える場合には注意が必要です。当初の借入れの時に収入を合算した妻が、住宅ローンの借り換えのタイミングで離職していると、妻の収入が合算できないので「返済負担率」が高くなり、住宅ローンの借り換え時の審査でNGとなる可能性があります。
住宅ローンの借り換えを検討しているのであれば、収入合算した相手方が離職する前に、住宅ローンの借り換えをしてしまうのが賢明です。離職により家計の収入が減るのであれば、住宅ローンの借り換えをして、少しでも支出を減らすことを検討してみてはいかがでしょうか。
~ おまけ30 ~
借りればこそ
いとど家計は
いき詰まり
憂き世になにか
楽しかりけり
~~ おまけ29のもと ~~
古今和歌集 (笠間文庫) [ 片桐洋一 ] |
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