「金利が低いうちに住宅を購入」と「住宅ローンは変動金利を選択」を同時に選ぶと矛盾?
マイホームをいつ購入するのがよいのでしょうか? それは、その人(またはその家族)のライフステージのなかで必要となるときだと思います。実家から独立するタイミング、結婚のタイミング、子供誕生のタイミング、子供が小学校へ入学するタイミングなどがあると思います。
転勤が多い会社で働いている方は、会社の事情も考慮する必要があるでしょう。家計からの視点では、目標の頭金が貯まったタイミングで購入するということもあるでしょう。 また、ある時、一生家賃を払い続けることに疑問や不安を感じ、マイホーム購入を決める人もいるのではないでしょうか。
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マイホーム購入のタイミング
人生は、なかなか自分で想い描いたようにはなりません、なかには、マイホームがほしいときが購入のタイミングと言い切ってしまう人もいます。
住宅を購入するタイミングを決めるためには、その人(またはその家族)のライフステージや家計だけではなく、外部の経済的な環境や、経済的なタイミングも無視するわけにはいきません。住宅ローンを借りる場合には、金利が低いときの方がよいでしょう。既に土地を持っているのではなく、土地を含めて購入する場合やマンションの場合には、地価が低いときの方がよいでしょう。
「金利が低いうちに住宅を購入」
よく住宅の営業マンがアドバイスしてくれます。「金利が低いうちに住宅を購入したほうがお得ですよ」 と。マイホームを購入する多くの人は、住宅ローンを利用するため、借入金利が低いうちに住宅を購入したほうが得なことは間違いありません。
もし、この住宅の営業マンが10年前も住宅の営業をしていたのなら、10年前も同じようなことを言っていたかもしれません。
マイホームを購入しようかと悩んでいる人にとって、「金利が低いうちに住宅を購入しましょう」 という言葉は、背中を押す言葉としてはよい言葉ですね。
「金利が低いうちに住宅を購入しましょう」という言葉には、言外に訴えかけているように感じます。もうすぐ金利が上がってしまうかもしれないので、今のうちにマイホームを購入したほうがいいですよ と。
「住宅ローンは変動金利を選択」
「住宅ローンは変動金利を選択」した人は、どのような考えで変動金利を選択したのでしょうか?
① 当面は、低金利が継続すると考えている
② 営業マンや金融機関に勧められたから
③ 借入額を多くするために金利が低い変動金利を選択した
④ あまり考えず、金利が一番低いものを選んだ
上記の例ですと、①以外の人は先のことをあまり検討せずに、変動金利を選んでいるのではないでしょうか。
②営業マンや金融機関に勧められたから という方は、金融に関してはあまり詳しくなく、専門の業者が勧めるものが一番良いと考えているかもしれません。 ③借入額を多くするために金利が低い変動金利を選択した という人は、先のことは後回しにして、現時点で一番都合がよいことを選んでいることになります。④あまり考えず、金利が一番低いものを選んだ という人も③の人と同じでしょうか。
②③④の人たちには、今後、住宅ローン金利が上昇してきたとしても家計的にローン返済が問題ないか、一度検討することをおすすめします。
住宅ローンで変動金利を選択した場合には、金利が上昇した時のリスクを考えておく必要があります。金利が上昇すると、住宅ローンの利息が高額となり、毎月の返済額が増えてしまいます。
金利が高くなりそうだから、今のうちに住宅を購入
「金利が高くなりそうだから、今のうちに住宅を購入しておこう」と考えて住宅を購入したかたは、変動金利型の住宅ローンを選択するのではなく、固定金利型の住宅ローンを選択することが理に適っています。
今後、金利が高くなりそうだからと考えて行動しているのであれば、当初の低い金利が変わらない固定金利型の住宅ローンを選択するべきではないでしょうか。
東京オリンピック以降も当面は低金利が続くと考えて、変動金利型の住宅ローンを選んでいる方は、予想が外れて金利が上昇した時の対応を考えておくことが大切です。いくらぐらい返済額が増えても家計的に耐えられるのか、長期固定金利型の金利が何パーセントになったら長期固定に切り替えるのか、いざという時のために、ある程度の事前の準備は必要です。
人生の中で最も高額となる住宅資金ですので、多少のことでは返済が行き詰らないように、安全性を重視していくことも重要ではないでしょうか?
当面は低金利が続きそうなので、その間に繰上返済を活用しながら借入残高を減らしてしまおうと考えているかたもいると思います。
過去10年間を振り返ると、固定金利型を選択するよりも変動金利型を選択したほうが支払利息は少なく済んでいます。
金利が上がるとどうなるか
借入額の残高が3,000万円、残りの返済期間が30年として、シミュレーションしてみましょう。(元利均等返済、固定金利としています)
金利が1.0%から2.0%に上がった場合には、毎月の返済額が96,491円から110,885円となり、14,394円の増額となります。
もし、金利が3%上がって4.0%になった場合には、毎月の返済額は約4.7万円も上がってしまいます。毎月の返済額が5万円弱の増額になった時に、耐えられる家計は少ないのではないでしょうか。
今後の資金計画を見直しておきたい場合には、専門家に相談してみることも一案ですね。
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